自然科学研究機構シンポジウム1 of東京国際科学フェス黒ラブ教授レポート

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2014.9.23 Tuesiday New_Icon_rd_02.png

大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 主催の
記憶の脳科学 -私達はどのようにして覚え忘れていくのか-
自然科学研究機構シンポジウムに伺いました。(*´д`*)イッタヨ

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(会場 学術総合センター、一橋講堂)
ちなみに自然科学研究機構とは、
国立天文台、核融合科学研究所、分子科学研究所、
基礎生物学研究所、生理学研究所が集まった枠組み、組織の事です。


そんな組織がプロデュースするシンポジウム
今回のテーマは脳科学!ヽ(´▽`)/
(いつも宇宙関係、生命関係と色々テーマを決めているのです)



会場は高校生など若い人も少数いましたが、
全体的にご高齢の方が多かったです。

一橋講堂は・・・どーーーーん!!
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満席!450名くらいでしょうか。
そりゃそうです。
この講師陣を見て下さい。

イントロダクション
9:50~10:00 機構長挨拶 
      佐藤 勝彦 自然科学研究機構 機構長
講演
10:00~10:40 記憶とは何か 
      岩田 誠 東京女子医科大学 名誉教授 -
10:40~11:20 記憶を人為的に創り出す
      井ノ口 馨 富山大学 教授 -
11:20~12:00 見る、憶える、思い出す:
大脳皮質ネットワークにおける知覚と記憶の神経メカニズム
      平林 敏行 東京大学 講師 -
12:00~13:30 昼休み、パネル見学(90分)
13:30~14:10 近年のコンピュータ将棋の進歩と機械学習
      佐藤 佳州 パナソニック株式会社 研究員 -
14:10~14:50 記憶と脳指紋
      柿木 隆介 自然科学研究機構生理学研究所 教授 -
14:50~15:00 休憩(10分)
15:00~15:40 ワーキングメモリ:脳のメモ帳
      苧阪 満里子 大阪大学 教授 -
15:40~16:20 健忘症と認知症
      森 悦朗 東北大学 教授 -
16:20~16:30 休憩(10分)
パネルディスカッション
16:30~17:30 立花 隆、井ノ口 馨、平林 敏行、佐藤 佳州、
      柿木 隆介、苧阪 満里子、森 悦朗
閉会
17:30~17:40 閉会挨拶
      井本 敬二 自然科学研究機構生理学研究所 所長



脳科学を様々なアプローチから挑んでいる
著名講師人です。
(* ̄Oノ ̄*)豪華ですぅ~。

さぁ始まりましたよ!

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イントロダクション
9:50~機構長挨拶 佐藤 勝彦さん
    自然科学研究機構 機構長

身の回りの出来事を、忘れる事ができない女性のお話を元に、
イントロが始まりました。
実はこの先生、宇宙のインフレーション理論を提唱した方!
できれば先生のお話ももっとお聞きしたかったです。
相対性理論、来年で100周年のお話もしてくださいました。(●´エ`●)


講演
10:00~記憶とは何か 
     岩田 誠さん 東京女子医科大学 名誉教授
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まずは脳とは、初心者にもわかりやすく基礎知識から。
スライドは使わない講演方式でした、
(*´▽`)*´▽`)*´▽`)ノ


題名通り、記憶とはから始まりました。

 人の名前や、物の名前などは、たまっちゃう。
ここから一つ出す(思い出す)事が実は驚異的ですね!
カテゴリーごとに、側頭葉に、覚えているそうです。

たしかにそう言われると、感心!(*´д`*)ふんふん
皆様も「なるほど」と聞いてました。



こんなお話もされていました。
「2週間前の事なのですが、駅の中で、
 考え事をしながら電車を待っていたので、
 電車が来たら、駅にカバンを置き忘れて電車に乗ってしまい・・・と
相談にくる患者さんがいるんだけど、そのくらい詳細に覚えているなら、大丈夫。本物は、忘れた事を忘れている症例だから」など

最後に、アルツハイマー病の患者を症例にお話が展開されました。

1番心に残ったのは・・・・・

  ●アルツハイマー病とは、様々なな症例があるけど、
   過去に蓄えられた記憶や知識、
   技術などは保持される傾向にある。
   (あくまでも傾向という事は、後の森先生から言われる)

そーなんだぁ~!(*´д`*)


  ●患者さんの中には、自分の中で推理してしまい、
    事実とはズレる場合がある  
    (おばあちゃんとか嫉妬とか混ざりやすいらしい)


大抵は、事実を言って、説得しようとするんだけど、
そーするとおばあちゃんは、納得していないから、
何度も聞いてくるらしいのです。


納得させるには、おばあちゃんが作る真実に合わせるしかない。
納得すると、何度も聞かなくなるとの体験談をお話しされていました。



 おばあちゃん「あなたはAさんですか?」
 介護するBさん 「いや違います。」
 これだとおばあちゃんは納得しないから、何度も聞かれてしまう。

そうではなく

 おばあちゃん「あなたはAさんですか?」
 介護するBさん「そうだよ。(おばあちゃんが信じる真実に合わせた)」
 おばあちゃんは納得して、何度もは聞かないらしい




真実は事実より強い 介護の心得
 説得より納得を
 とお話されていました。

(*´д`*)ナルホロ


10:40~記憶を人為的に創り出す 
     井ノ口 馨さん 富山大学 教授
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さて基礎が少しわかった所から、記憶とはニューロン細胞ではどう考えられているのか?お話が展開されました。


記憶はどこで蓄えられているのか?
昔のエジプトなどでは、心臓と考えられていた。
デカントが脳に記憶は蓄えられていると言うようになり、
それが次第に主流になったそう。


そういう歴史があったんですね~
∩(〃・ω・〃)∩゙メモメモ

記憶はニューロン細胞の電気刺激、発火(活動電位に達すること)。

∩(〃・ω・〃)∩゙メモメモ

具体的には、ある記憶で、特定のニューロン細胞集団(セルアセンブリ)で符号化されて脳内に蓄えられるとの事(この事をアンサンブル・コーディング、ensemble codingという)

∩(〃・ω・〃)∩゙メモメモ

思い出す(想起)はその集団が再稼働する仕組みらしいです。
同期で活動したニューロン細胞同士は
強い刺激で結ばれている(この事はシナプス可塑性(かそせい)と言う)ので、ある細胞が発火されると細胞集団が再稼働する。
(記憶により発火された細胞を記憶痕跡細胞とも言う。)

∩(〃・ω・〃)∩゙メモメモメ・・・
ちょっちょっ!間に合わないw


光遺伝学(光を使った遺伝学の事)の話が進みました。
チャネルドロプシン2という、
光あてると活動するチャネル(細胞膜などにある扉)で
人為的に活性化させることができます。
これを使って色々実験して、セルアセンブラが実証されたらしいです。

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さらに独立した二つの記憶を
完全に人工的な方法で、連合することができたらしいよ
その説明が詳しくお話されていました。(●´エ`●)



ディスカッションの所で、
人口的に忘れる事は可能ですか?という質問が出ました。

可能です。
想起する事を、分子レベル、回路レベルでもわかっているので
その分子を阻害させると忘れる事ができると説明してくださいました。

すごいですよね~(*´д`*)おーーーー
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「文責:黒ラブ教授」

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