授業恐竜絶滅の隕石衝突の痕跡を探す旅 of 東京国際科学フェス黒ラブ教授レポート

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2014.9.21 Sunday New_Icon_rd_02.png

千葉工業大学
惑星探査研究センター(PERC)連携シリーズ講座
4シリーズ中の3つ目

恐竜絶滅の隕石衝突の痕跡を探す旅
後藤和久先生(東北大学災害科学国際研究所准教授
          元PERC上席研究員)

を受講しに、千葉市科学館へ伺いました。
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会場は既に満席。
さすが人気の恐竜ですかね~(*^▽^*)/~~~


意外と、
前のシリーズを受けているお客様がいなくて
自分としては、これが最初の1回目なので。ホっ!(*´д`*)らっきー



受けやすいかも~

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先生は、前に火星の研究もやってて、
火星の研究も、地質学がメインになりつつあります。
という会話からスタート

というのも・・・
写真が高性能な時代になり、
写真から、火星の地層を分析できる時代になっているんです。


(*´∀`*)へ~


そんな・・地質学とは
物がどう運搬されていて、どのように堆積するかを調べる学問です
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地質学から運搬過程、地層の形成、
大規模な気候や地震や火山など
地球変動、地球の歴史がわかるのです。


ほえーー(*´∀`*)



様々な研究でわかったことは・・

生物の繁栄と絶滅の繰り返しをしている
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ここで言う絶滅とは
人が絶滅でも一属が絶滅しただけであって種の絶滅ではないです。
ここでいう絶滅は、本当に魚(いろいろな魚がいるけど全部)が絶滅とか、
つまり
大規模な絶滅を繰り返している歴史があるって事なんです。


そーなんだ・・・
みんなメモ。聞き入っている感じです。ヽ(´ー`)ノ


白亜紀は1億4500万年~6500万年前の時代
暖かい気温だったようです。6~14°くらい
氷もなく陸地が広がり、今より海面は200m高かった 
そんな時代に恐竜が住んでいました。

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白亜紀末、6500万円前に大量絶滅をします。
白亜紀/古第三紀境界 地質の境界の事を言うんですが、
通称  K/Pg境界 
けーぴーじーきょうかい と言います。

この時、
恐竜が100%絶滅したんです。


さてなんででしょう?
様々な仮説があったけど、
世界的に受け入れられているのが、小惑星の衝突です。


(*´▽`)*´▽`)*´▽`)ノしってるー
みんな知っている感じでした



さてこの考え方は、どこから発表された物でしょうか

(;´Д⊂) うーん・・
みんな考え込む



1980年代の論文から出た考え方なんです。
UC Berkeleyのノーベル賞受賞者、Luis Alvarezと
その息子のUC Berkeley professorのWalterが書いた論文です。

どんな内容か
地層を分析すると、
白亜紀の層と古第三紀の層の間に1cmの粘土層があります。
この粘土層が、どれくらいの時間かけてたまったのか?
知りたいけど、
調べ方がわからないので、父に聞いたようです。

父が思いついたのは、イリジウムを測れ!

というのも地球の表面にはイリジウムがないのです。 
(マントルとか内部にある)
宇宙からは、降り注ぐものなので、
地層に何年たまったのか測定すればわかると考えたのです。
さすがノーベル受賞者


おおおーーーみんな感心
(*´д`*)すごいねーー


測定してみると・・・
イリジウム濃度が驚くほど濃かった。
結論、直径10キロメートルの小惑星衝突
絶滅の原因だろうと考えたようです。


その検証に研究者は進みます。
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そして・・・・・・
な・なんと
衝突の痕跡が見つかるんです。


衝撃変成石英が見つかったんです。

へ?(/_\;)


石英(粒子)が異常な高圧化でできるのが
衝撃変成石英という石のような・・ガラスのようなものです。
どのくらい高圧かは核実験の時にできるくらい。

これが白亜紀末の地層で見つかったのです。

核実験がないので、できる原因を、
考えるとしたら隕石の衝突くらいです。
それがメキシコ湾周辺で、たくさん見つかったのです。

つまり・・・
メキシコ湾に隕石の衝突があったのでは?という事になりました。


で、その周辺で、
津波で地層が、かき乱されたもの(津波堆積物)が見つかり、
イリジウムも見つかった。


1980年代後半 隕石が衝突したんじゃないか・・・
あの論文が正しいとみんな思えてきたのです。


ヽ(´ー`)ノみんなメモメモ


1991年ついに!
メキシコ湾にて、チチュルブクレーター見つかるんです。
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ヾ(@゜▽゜@)ノおめでとーーー


地下の1Km下に、埋まっているんです。
つまり堆積物が1Km分たまってる。
そんなクレータです。

なぜ見つかったのか。
偶然、石油会社が掘削していて 
あれ?ここだけ、重力がおかしい事に気がついたようです。
そこから発見になりました。
(津波により、かき乱され密度が違うものが、たまって・・・重力が違う)


クレーターが見つかるなんて
地質学者は思わなかったそうです。
なぜならプレートが動くから、
どんどん昔のものが地下に沈みこんで
見えなくなる事が一般的なんです。
(数千万年、数万年前の地層とか見えなくなるのが多い)



ちなみに、地質調査は
普通の場所に地層が出ているわけではないので、
滝とか・・そーいう所に調査にいく研究スタイルです

また誰かが見つけた地層に行くのは研究にならない。
だから誰もまだ行ってない場所に行くので、大変です。

地層も色も調べる。化石が出てきて、
それを調べて、白亜紀末だなとかわかる。
ここのエリア掘ってみようかなとなる。
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スフェリュール(衝突の後溶けて固まった岩石)が見つかったとして
ようやく天体衝突の地層だな、
ここまで来るのに2.3年くらいかかる。そんな活動をしています。



さて本題、このチチュルブクレーター
海底の地下1km掘って、衝突の前後を調べるために、
さらに1km掘る。こんなことは、個人ではできないので
国際協力の元、動きました。2002年このクレーターを掘りました。
衝突クレータの中にも津波の痕跡あり、
当時、津波300mくらいという事が予測された。

工エエェェ(´д`)ェェエエ工


その中で、隕石ぶつかって飛び散った
石灰岩、硫酸塩岩という岩だという事がわかりました。
この岩石、溶けると二酸化炭素 硫酸イオンなど
地球の大きな変動を及ぼす気体が出るのです。
(太陽光を遮る役割など)
(*´д`*)めいわくぅ~


つまり衝突の場所が、
たまたまそのような岩石だったので環境が変わったのかもしれない
当たり所が良ければもしかすると・・・
そういう考えもあります。

(*´д`*)へーーー

この時期、絶滅は、具体的には

恐竜100%絶滅
鳥は75%絶滅
魚類は10%絶滅
両生類は影響なし

わかるとおり、絶滅する%が、まちまちなんです。

もっというと
陸上では88%絶滅 水上では10%絶滅だったんです。


えーーー
すごい差があるんだ!!(●´エ`●)


ここで・・・絶滅の話をするのに欠かせないもの
連鎖の説明をしますね。

地球にはそもそも食物連鎖と腐食連鎖があります。
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大型生物は光合成なしでは生きていけない食物連鎖
食物連鎖
(太陽が植物を照らし光合成で成長 
 それを食べる草食動物 さらにそれを食べる肉食)
腐食連鎖
(死んで、腐ったもの有機物を食べるもの
  昆虫かたつむり、それをたべる肉食)

ヾ(@゜▽゜@)ノ昔ならったぁーーー


衝突の時の層を調べてみると・・・
被子植物の胞子、シダ植物の花粉の化石など入っていたのです。


当時の環境は暖かく、被子植物いました。
しかし衝突後の地層からは、
被子植物が消え、シダ植物になった事がわかったのです!。

(シダ植物は被子よりも、環境適性が強い植物、
 被子植物は環境適性が弱い) 

(一般的に火山でやられた場合、最初シダ植物が出る。
つまり大きな変化が会った時、最初シダ植物が繁栄することになる)


しかも層を調べると、数年、シダ植物さえない時期あって
2004年調べて、菌類、きのこ胞子の化石しか出てこなかったのです。
つまり・・・光合成生物がいなかった事を意味します。

(菌類、きのこ胞子は、光合成しない植物)


(*´д`*)メモメモ


光合成生物がいない事は、
食物連鎖で、餌がない事を意味します。

陸上では、翼竜など、恐竜など被害が大きく全滅。
でも鳥はなんとか75%絶滅にとどまりました。

(99% 100%意味違う 
 100%は根絶やし 1%なら、種の数、
 個体数としては何千万、何百万個体いるから
 次の繁殖の可能性もある)


で、川に流れている生物を食べる生物、
ワニとかカメは淡水で、浅い水の中で腐食連鎖をします。



さらに
海のプランクトン、光合成生物は。90%絶滅したけど
ところが珪藻(けいそう)とかは絶滅していない事がわかりました。

殻が石灰質かどうかだと考えられるのです。
円石藻(えんせきそう)などは、
酸をかけると溶けちゃう。死滅しちゃうのです。
だけど、珪藻などの殻は、ガラスで覆われていているような物で、
酸を、かけても影響がないのです。
生き残れたのです。

へーーーー(●´エ`●)

つまり絶滅の原因を解くには
以下のような事が考えられます。

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衝突をして太陽光の遮断による光合成の停止が
それを餌とする恐竜等の絶滅。

しかし腐食連鎖の中にいる生物は餌が多くなるので
直接的物理的影響を受けたものの、絶滅しなかった。。
と考えています。


または酸性雨、
または森林火災で 隕石衝突点では10000度だけど
地球全域で最大で280度まで上昇したと言われているほどです。

これらが、同時におきた可能性があり、
水の中や物陰に隠れなければ
生きていけなかったと考えられています。

へーーーー(●´エ`●)



さて恐竜が生きてた白亜紀末は
少しわかったかもしれないけど
不思議なことがあるのです。

直径10kmくらい隕石なら1億年から2億年に
1回衝突する可能性があるのです。
でも地球では、5.5億年の間に何回か起きているはずなんです。


だけど白亜紀末以外で、大きな絶滅で、
隕石が、ぶつかった痕跡が30年以上見つからないのです!!!!
多くの人が探してもみつからない

不思議。((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル



この事からも、想像にすぎないけど、
白亜紀末の衝突は、
環境にあまりに影響を与える部分に衝突したから
恐竜は絶滅したのかな??

残された謎です


ヾ(@゜▽゜@)ノへーーーーなるほど。今の研究者の悩んでいる事
そして研究者がどういう事に悩んで調べていたのか
わかりましたぁ~
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この後、質問コーナーになりました。
記事が長くなってしまうので、省略しますが
かなり多くの質問が出てました♪
みんな興味持って聞けていたのでしょうね~


先生、ありがとうございましたぁ~
連続シリーズなので、全部受けないと楽しめないかな?と思いましたが
全然そんなことはなかったですぅ♪
皆さんも受けてみては?

「文責:黒ラブ教授」

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